2011年3月5日土曜日

5日   春菊天弁当   


・・・・・今日のお弁当

◆春菊天  しいたけ・干しえび入り
◆炒め物  ブロッコリー・ソーセージ
◆ゴマ味噌和え  にんじん・ほうれん草
◆しいたけのめんつゆ煮
◆牡蛎の佃煮  作り置き
◆雑穀飯




・・・・・今日の本

◆嫌な女(いやなおんな)
  桂 望実(かつら・のぞみ)

主人公の徹子は弁護士で、嫌な女は遠い親戚で同い年。
嫌な女である夏っちゃんが、何か困った状況になると、親戚で弁護士なんだから何とかしてと持ちかけてくる。
主人公の弁護士は、この話の最初は弁護士なりたてのホヤホヤだったけど、話が進むにつれて段々年も取り、最後の方は引退して70代になっている。
夏っちゃんと言うのはこの弁護士にとっては嫌な女なんだけど、天真爛漫というか何処か憎めないというか自分に正直というか、そんな感じで、男性にとても良くモテルらしい。
それを利用して色んな詐欺まがいのトラブルを起こし、旗色が悪くなると、「親戚には弁護士がいるんだから」徹子を差し向けるという寸法。
感情のままに生きている様な夏子に比べ、徹子は常に孤独を感じていて何をやっていても夢中になれず、虚しく感じてしまう。
夏っちゃんは、3年から6,7年間隔で色んな所で色んなトラブルを起こし、その度に徹子に依頼が来て、出向いて行く。
徹子も最初の頃はかなり迷惑に感じていて、何て嫌な女だと思っていたが、そのうち免疫が出来たのかそれとも諦めたのかあきれ返ったのか、少々の事では驚かなくなっていく。
それどころか、異性にもてて同性に嫌われていたはずなのに、同性から夏っちゃんは良い人で優しい人だと言う評価を聞くと、そんなのは夏っちゃんじゃないと違和感を覚えショックを受ける。
そしてその後も聞き込みを続けた結果、同性からのいつもの嫌な女ぶりが聞き取れ、ホッする。
400ページ近い少し長めの作品で、弁護士になりたての20代から引退した後の70代までと長きに渡る話で、その中には嫁姑・跡継ぎなどの結婚問題や親子のあり方、遺言書の作成や高齢者の結婚問題、ペットの問題などなど現代の色々な問題に触れている。
読んで印象に残った事で、「今までの人生で楽しかった事ランキングベスト10」と言うのがあった。
夏子が、入院している高齢の知り合いを看護してる時に、暗く弱気になりがちな入院者たちに、最後の日まで最後の瞬間まで楽しい話をしようと言って始めた事。
これは案外難しい。ランク付けをするのがね。
それと、弁護士になりたての時に徹子が事務所の所長に受けたアドバイスの一つで、どう対処すべきか解らなくなった時、被告や原告に対して事件以外の所で腹が立った事とおやっと思った事を聞いて見ると、意外な発見があったりして、交渉の道筋が開けたりするという事。
その後徹子は必ずこの二つを聞いている。
そうすると、嫌な人だと思っていた人の意外な一面が浮かび揚がって来たりする。